日時:2023年11月25日
場所:amber自由が丘
ベトナム料理と日本酒、国籍が異なる料理とお酒ですが、ペアリングすることで異文化が交わる新しい味覚の体験ができます。 きょうの日本酒では、この体験を愉しんでいただくイベントとして、自由ヶ丘 『tefu / amber』にて、【ベトナム料理と日本酒】を開催しました。
料理は、国産米麺を使用し、無添加・無化調でフレンチと中華の調理法を取り入れた、滋味深い手作りベトナム料理を提供している『Stand Bánh Mì』さん。
会場となった『tefu / amber』は、コーヒー専門店『Raw Sugar Roast』の小田政志さんが手掛けるカフェ。シックなグレーを基調とした大きなバーカウンターに、奥にはゆったりと座れる広々としたラウンジが特徴です。
今回提供したベトナム料理は4品。エスニックで濃厚な味わいを、きょうの日本酒の銘柄とペアリングしていきました。各品の、旨み・甘み・酸味が日本酒と口内で混ざり合い、絶妙な味わいを醸し出します。
一品目は「海老とマンゴーの生春巻き/Gỏi cuốn tôm xoài」
もちもちな極薄皮(無添加・無漂白)で巻いた海老とマンゴーの生春巻きを、タマリンドベースの自家製ソースをつけて召し上がっていただきました。
ペアリングする日本酒は、「大納川 純米大吟醸 生酒」。華やかさのあるお酒で、甘くキレのある味わいがあり、生春巻きに包まれたマンゴーやタマリンドの甘酸っぱく独特な風味を引き立ててくれます。
二品目は「白身魚のバナナリーフ包み蒸し/Cá trắng hấp lá chuối」
白身魚を、国産無農薬のバナナリーフとライムリーフで包んで香りを閉じ込め、自家栽培プリッキーヌ(唐辛子)がピリっと効いたライムソースと共にいただきます。
ペアリングする日本酒は「水芭蕉 純米吟醸 辛口スパークリング」。シャンパンの製法をベースにした、きめ細やかな発泡感と濁り感のあるシルキーさがあるお酒です。その発泡感とシルキーな口当たりが、ライムソースの刺激を和らげつつ、バランスの取れた味わいを愉しめます。
三品目は「レモングラスつくね/Nem sả nướng」
ジューシーな国産豚つくねにベトナム産の生レモングラスを練り込み爽やかに仕上げています。生産量世界1位の越南胡椒/hạt tiêuがアクセントです。
ペアリングする日本酒は、「シン・ツチダ・プリンセスサリー」 。タイ米を使ったお酒で、お米とヨーグルトの香りにレモングラスが混ざったような、他にはない個性的な香りです。レモングラスの共通する香りが、一体感のある味わいにまとめ上げます。
四品目は「越南豚角煮/thịt kho trứng」
甘さとスパイスの香りが特徴の越南角煮。国産の豚バラ肉を砂糖を煮詰めたカラメルと一緒に柔らかくなるまで煮込みました。
ペアリングする日本酒は、「岩の井 秘蔵古酒20年」 。20年ものの古酒は熟成感があり、ナッツ、カラメルなどの味わいがあります。豚角煮の濃厚でコクがある旨みと、熟成された古酒が織り成す、重厚感と優雅さが際立つペアリングです。
これらの料理はワンプレートで提供させていただきましたが、見た目も味わいも異なり、それぞれのペアリングをじっくり堪能いただけたかと思います。
夜になると柔らかい照明でリラックスした空間が広がり、DJによる選曲が店内の温度を上げて、さらにその場のムードを演出。お客様にも、味覚だけでなく場の雰囲気を愉しんでいただき、きょうの日本酒スタッフもお酒と料理を提供しながら、カウンター越しの会話を愉しみました。
今回ベトナム料理と日本酒のペアリングという、きょうの日本酒としても初めての試みでしたが、「想像もしていなかった組み合わせだけど合う!」、「それぞれ全く違うペアリングで面白い」など、お客様の会話も弾み、社交的な夜の時間として心地よいひとときを作り出すことができたと思います。