イベントレポート
Event
家呑みのような外呑みを。きょうの外晩酌、始めました。
Event

家呑みのような外呑みを。きょうの外晩酌、始めました。

晩酌という価値観を再発見した時、その指向性に「外(そと)」と「内(うち)」があると気付きました。現代では一般的に【晩酌】といえば《自宅で夕食時に酒を呑む》行為を指しています。いわば【内晩酌】。だとすれば、《飲食店で夕食時に酒を呑む》行為は【外晩酌】と言える。
ー 正一合の店 シンスケ Webサイトより

 

気の利いたつまみと日本酒を、カジュアルな雰囲気で愉しむことができる本企画。現代の居酒屋で最も格好良いお店の一つだと思っている、シンスケさんのお言葉を借りて「きょうの外晩酌」と名付けてみました。

第一回目は代官山Baroさんにご協力いただき、開催することができました。つまみをつくって下さったのは「きょうのつまみ」を監修していただいている、中本千尋さん。日本酒とのペアリングは山内先生監修のもと、チームメンバーで最終調整を行い、かなり満足度の高いものが提供できた自信があります。

今後も日本酒との距離が少し近くなるような外晩酌を企画してまいります。

ぜひ、お越しください。また、当日の写真とペアリングメニューを掲載しておきます。こちらは内晩酌のつまみにでも。

 

 photo by MAYA MASUDA

ペアリングメニュー

無花果 奈良漬け チーズ
×
大納川 純米大吟醸 生酒(秋田県 / 大納川)
無花果の甘さは大納川の甘さに、マスカルポーネのクリーム感は生酒のテクスチャーに、奈良漬の刺激はアルコール感に。つまみとお酒の要素それぞれが、手と手を取り合うようなペアリングでした。

 

鯛とすだちのカルパッチョ
×
松の寿 純米吟醸 雄町(栃木県 / 松井酒造)真鯛の食べごたえのある身質に、雄町の芯の強さがバランスを取ってくれました。松の寿が持つ清涼感も、すだちのアクセントにぴったり寄り添います。

 

帆立と梨の梅バジル
×
しゅわっと空 微発泡純米吟醸 生(鳥取県 / 千代むすび酒造)
鳥取といえば梨の名産地ですが、しゅわっと空からはいつも梨を思わせる優しい果実感を感じます。梨とホタテのつまみに、しゅわっと空は見事に調和してくれました。その上、梅の酸味との相性も、風味のアクセントとなったバジルの青い香りともぴったり。とても楽しい組み合わせです。ぜひお家でもお試しください。

 

鮪の漬けとライスサラダ 冷たい湯葉豆乳スープ
×
惣誉 純米大吟醸 生酛(栃木県 / 惣誉酒造)
食感も風味も、噛むたびに違う表情を見せてくれるような、一皿で何度も美味しいライスサラダでした。情報量の多い一品ですが、個性が強すぎず、それでいて芯の強い惣誉のおかげで、素晴らしい組み合わせができました。全体をつなげる豆乳スープと、惣誉を下支えする生酛造りが基礎となり、とても満足感の高いペアリングです。

 

蒸し鶏と醤油麹 日本のハーブ
×
黄金澤 山廃純米酒 弐年熟成(宮城県 / 川敬商店)ポイントは醤油麹。以前、代々木上原のNo. さんでご提供した塩麹の蒸し鶏には、松の寿がぴったりでしたが、今回はうまく合わず。醤油には少し熟成がかかったお酒が相性良しです。黄金澤弐年熟成は、こういうときに大活躍。コースの終盤にして、箸も杯も進む組み合わせとなりました。

 

乾燥きのこの春巻き
×
岩の井 秘蔵古酒20年(千葉県 / 岩瀬酒造)これまでチョコレートやスパイスナッツなど、つまみとのペアリングが多かった古酒を、今回はれっきとしたお食事と。味付けのベースはオイスターソースで、まさに中華な春巻きに。これには、紹興酒のような風味を持つ20年古酒が相性抜群です。きのこは乾燥させて旨味がぎゅっと凝縮しており、ここにも熟成によって深みの極地にある古酒がぴったりでした。また、岩の井さんの古酒は本醸造。余韻には適度なキレがあり、油で揚げた春巻きに合わせても重くなりません。その点も良い組み合わせだったと感じます。

 

あてなポークピンダルー 2023秋
×
強力 おおにごり 純米吟醸(鳥取県 / 千代むすび酒造)合わせるお食事によって表情を七変化させる千代むすびさんのおおにごり。カレーと合わせるとまるでラッシーのようになります。最後のメイン料理、少しお腹が膨れてきた方にも、おおにごりの微発泡感と爽やかな酸のおかげで、嘘のようにピンダルーが進みます。

 

菓実 黒糖
×
岩の井 秘蔵古酒20年(千葉県 / 岩瀬酒造)
コースの最後は、黒糖のナッツと古酒で締めくくり。黒糖の風味と、古酒のカラメル感、この2つが寄り添い、お互いの風味を高めあってくれます。飲み込んだあとも、長い余韻をもって、幸せな時間を届けてくれました。