「きょうの日本酒」は、日本酒離れが著しい層にも日本酒を受け入れやすいものにするため、江戸時代から続く日本酒主流規格の一升瓶や四合瓶を、現代の消費者に合わせ飲みきりサイズの一合瓶にリサイズしています。
瓶には「一杯の酒」を意味する一献マークを象徴的に印刷し、日本酒が元来持つ品格を残しながら軽やかな印象を付け加えました。そして各日本酒が持つ豊かなストーリー、銘柄、飲み方を瓶首の紙筒に記載し、丁寧に伝えるパッケージになっています。
審査委員の評価
<担当の審査委員>
河瀬 大作/上西 祐理/小西 利行/佐々木 康晴/野崎 亙/Tnop Wangsillapakun
<評価コメント>
なかなか売れないと嘆く日本酒業界に新しい未来を提示する挑戦的なデザイン。伝統的な一升、四合瓶という形態を一合にリサイズしたのはもちろん素晴らしいが、それよりも、主張が強すぎる日本酒のデザインを、あえてアノニマスでフラットなデザインに変えることで、現代の食や趣味とマッチさせたことが凄い。ストーリーとしても、語ることを語り切るのが普通の日本酒だとすると、「きょうの日本酒」は140文字という現代人が慣れている文字数にあえて削ぐことで、読みやすく、飲みやすくしたことが秀逸だと思う。どんどん廃業が進む日本酒業界の救世主として新しい風を吹かせてほしい。
グッドデザイン賞 「きょうの日本酒」ページ
https://www.g-mark.org/gallery/winners/17736?years=2023